市川人事労務コンサルタント事務所

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プロ経営者?

最近よく「プロ経営者」という言葉を耳にする。

ビジネス誌でも特集が組まれたり、新聞でも大きく取り上げられたりしている。

年俸何億も払ってオーナーが外の人材を雇うケースが日本でも出てきた。

しかし、何か違和感を感じて仕方がない。

確かにきちんと結果を出せる人もいるが、私の見たところそういう人は10人に1人いれば良いほうだ。

たとえば今回ベネッセ社長に転身した原田氏。確かに人間的な魅力はありそうだが、今回本当に経営者として結果が出せるのだろうか。

現在、古巣のマクドナルドは業績の悪化が止まらない。理由はいろいろあるとは思うが、結局は中途半端な改革をやり続けたことが原因だろう。

本来オーナー経営者であれば本当に会社を良くするために本質的な施策を実行するが、期間限定の雇われ社長にはなかなかそういうことができない。

どうしても見栄えを気にした「短絡的」で「表面的」な経営になりがちなのだ。これは本人の問題でもあるが、仕組みの問題でもある。

1年から2年で会社を転々とする雇われ経営者もいるほどだ。

私が言いたいのは、「オーナー経営者は安易に外からプロ経営者などを招聘するべきではない」ということだ。

自分と同じくらい命を懸けて経営をしてくれるだろうと期待する気持ちは分かるが、そういう人はまずいないと思ったほうが良い。

ついでに言うと、私は一見良さそうに見える今回のサントリーも心配している。

経営にカツを入れたいのであれば、ソフトバンクの永守氏のように「恐い社外取締役」にとどめるべきだ。

やはり経営者が経営するに限る。人に頼んで楽をすると、必ずどこかでしっぺ返しが来るものだ。

2014年7月11日

人事・経営編