よもやま話
人材採用
先日ある経営者と話をしていて「人の採用」の話になった。
今採用がとても難しいという話になり、どうすれば良いか分からないと言う。
いろいろな経営者が良くそう言うのだが、話を聞いてみると問題は採用側にあることが多い。
まずは「何のために採用するのか」がはっきりしていない。よって「どういう人を採用するのか」もはっきりしていない。
これでは採られる側もピンと来ない。優秀な人ほど採れないことになる。
私は以前、三菱系の大手コンピュータ会社の評価面接にかり出されたことがある。
社長と専務と私の3人が面接官で、相手は事業部長、部長、課長。総勢30名ほどを一人ずつ呼び出し順次面接するというものだった。
そこで人事の責任者を面接した時に、「技術系学生の採用目標60名を達成しました」と言い満足そうにしていたのを見て「これはあかん」と思い強くダメ出しをしたのを覚えている。
その会社のその時の課題は「競合に打ち勝つ強い組織にする」というものだった。
「どういう人を採るか(どういうタイプの学生か、どのくらいのレベルが必要かなど)」が最も重要で「何人採るか」は次の問題だったのだ。
相当厳しく人事部長をいじめてしまったが、後で社長には大変感謝された。
問題意識のない採用を漫然と繰り返していると、いつの間にか力の無い会社になってしまう。
5年後10年後を考え、今自らに大きな負荷をかけ採用しなくてはいけない。
採用で楽をすると先々とんでもないしっぺ返しが待っているものだ。
どの会社にも言えることだが、なかなか出来ていないのが実情だ。
この問題意識は経営者にしか分からない。
経営者の皆さん、採用はトップの仕事だということを忘れないように。