よもやま話
信頼関係
枝野官房長官と記者たちの関係に変化が見える。
東北関東大震災が起こって10日がたった。
その間いろいろなことが次々起こり、日本中が大変なことになっている。
その中で、官房長官として総理官邸で記者会見をするようになってから枝野氏をTVで見ない日は無い。
はじめは地震や津波の被害の大きさ、続いて原発の事故、停電など、短期間にあまりに多くのことが起こり、記者たちも殺気立っていた。
それもあってか、その時期の首相の会見は逃げ腰でみっともないものだった。
続けて行われた海江田や蓮舫の会見も小学生の学芸会のようで何とも情けないものだった。
そんな中、枝野氏だけは腹を決めたかのように「逃げず」「真摯に」「正確を期した」「誠実な」会見を行い続けた。
もう既に数十回やっただろうか。
はじめは厳しく追及していた記者たちも、一つひとつ逃げずに誠実に答える枝野氏を見て、少しずつ態度を変えてきたように見える。
口だけでは信頼関係は築けない。
態度行動の裏付けが無ければ言葉も説得力を持たない。
信頼関係とはこうして出来ていくのだという見本のようなプロセスだ。
報道としての使命感を持って寝ずにやっている記者たちだからこそ、それ以上に過酷な状況でやっている相手を見て何かを感じたのだろう。
記者から「寝てないんじゃないですか?」という質問が飛んだ時は、一瞬戦友のような関係が生じたように見えた。
今や民主党でマスコミから評価されているのは枝野幸男くらいだろう。
意外な所に人物がいたものだ。
一方、菅首相はこの緊急事態の非常時にもかかわらず、緊急度も重要度も低い防衛大の卒業式に出たり、一度諌められたにもかかわらずまた被災した現地の視察に行こうとしたり、相変わらずパフォーマンスに専念し責任から逃げることしか考えていない。
いくら尤もらしいことを言って誤摩化しても、逃げていることは一目瞭然だ。
誤摩化せていると思っているのは本人だけだ。
本当に情けない。
口だけの人間はいずれ皆から相手にされなくなる。
何を言ったかより何をしたかが大事なのだ。
言い訳は許されない。