よもやま話
状況の把握
有名ホテルや有名デパートの食材偽装が後を絶たない。
経営者の謝罪会見が目白押しだが、見ていて感じるのは「経営者が悪意をもって直接関与しているケース」はほとんどないだろうということだ。(まあ当たり前だが)
ではなぜこういうことになるのか。
偽装に至る経緯もいろいろあるし利益の問題もあるだろうが、最終的にはマイナス情報がトップに上がらない風土に問題があるのではないか。
マイナス情報が入ってこないということは、プラス情報が盛られて入ってくることを考えると、正しい情報がほとんど入ってこないということだ。
正しい情報を把握しないで会社を経営するということは、計器を見ずに飛行機を操縦しているようなもので、いつ落ちてもおかしくない。
ではなぜこういう状況を生んでしまうのかと言えば、今までの私の経験では経営者に問題があることが多い。
経営者が真面目に一生懸命経営していても、知らず知らずにそういう状況(情報を把握できない状況)を作ってしまっているのだ。
これは会社の大小には関係がない。
社長が社員に感じる距離感と社員が社長に感じる距離感にギャップがあるとか、組織の中で責任と権限のバランスが悪いとか、社長が壁を作ってしまっているとか、いろいろな理由があるので「こうすれば良い」というような単純な解決策はないが、経営者が常々気をつけておくべき問題だ。
またある意味では、事業家と経営者という似て非なる2つの役割の狭間で生じる奥の深い問題かも知れない。
やっぱり経営者というのは大変な仕事だ。