市川人事労務コンサルタント事務所

よもやま話

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最近の傾向

20年以上人事コンサルをやっているが、その時代々々で企業のニーズは明確に変化してきた。

私の事務所で言えば、20年〜15年くらい前は世の中の企業経営もかなり厳しい時代で、リストラや解雇の仕事が多かった。

15年〜10年前くらいは危機管理と組織活性の両面からの要請で、人事システム構築などの仕事が多かった。

この10年ほどで社員の教育ニーズが高まり研修や勉強会の仕事が増え、更にここ5年ほどで採用ニーズが高まっており、面接に同席して欲しいという要請が増えている。

これはこの20年の世の中の状況の変化をよく表している。

このところ採用に意欲的な企業が増えてきたのは良いことだが、採用ができる時代(状況)になったからといって、ただやみくもに採用すれば良いというものではない。

昔の採用と今の採用は全く違うということを分かっていないと大きな失敗をすることになる。

これからの時代は「緻密な採用」をしなければいけない。

時代が複雑になり、組織も業務も複雑になるにつれ、人の問題も複雑になっている。それをできるだけシンプルにして会社を活性化することが必要で、採用はその一番最初の入り口となるのだ。

採用で手を抜くと後々大いに困ることになる。

経営者の中には、採用が苦手だと言って面接に出てこない人がいるが、これは大きな間違いだ。

「誰を採るか」は経営者の最も重要な仕事の一つだ。

米大手IT企業などで急成長しているところは毎日何百人も面接しているが、最終決定時には必ずトップが出てきて自ら判断する。

数年で何万人も採用しているから大変な業務量なのだが、そこは絶対に手を抜かない。そこをサボると急成長に耐えられる組織にならないことを知っているのだ。

今どきは新卒でも中途でも採用支援会社が多いが、支援会社はあくまで採用の支援に過ぎず、採用そのものは自社でやらなければならないし自社でやるべきものだ。

私も顧問会社の採用に借り出されるが、その時は必ず社長を引っ張り出し面接に同席させることにしている。

気がついていない社長も多いが、その会社の一番の武器(魅力)が社長であることが多く、それを使わなければ本当に良い人材は採れない。

振り返ってみれば、確かに社長が採用に熱心な会社には元気な会社が多いように思う。

2014年9月1日

人事・経営編