よもやま話
社員への報酬
面白い話を聞いた。
経営者が社員に特別ボーナスを出す話だ。
「どういう出し方がより効果的か?」という話で、とても示唆に富んでいる。
内容はというと、以下のような話だ。
優秀な社員に特別ボーナスを出すことにした。
「10万円の現金」と「ディズニーランド1日券とホテル宿泊券(家族分含む、合計10万円相当)」のどちらが良いかを聞いたところ、ほとんどの人が現金が良いと言ったそうだ。これはまあ、当たり前といえば当たり前だろう。
しかし一方で、選択肢をもたせず最初から「現金10万円」を渡した場合と、同様に最初から「ディズニーランド1日券とホテル宿泊券」を渡した場合の反応は大いに違うものだったという。
現金を渡した社員はこれといった変化はなくその後あまり話題にもならなかったが、ディズニーランドのほうはだいぶ長い間良い話として何かにつけ話題になったそうだ。
これは又聞きなので信憑性は定かでないが、なるほどと頷けるところはある。確かに現金をもらうよりプレゼントをもらうほうが嬉しい場合が多い。
これらのことからいろいろなことが分かるが、要するに経営者は社員の人心を掌握したいならお金の使い方(給料の出し方も含め)には気をつけたほうが良いということだ。
多く払えば良いというものではない。効果的に使うことが大事なのだ。
昔ある会社で、出来の良い社員にどんどん給料を上げてしまい結局その社員が辞めてしまったことがある。
「もっと欲しいもっと欲しい」となって高い給料が逆に不満のタネとなってしまった。
「お金より仕事」と思っていた人材が給与を上げすぎたために「仕事よりお金」になってしまった結果なのだ。
もったいない話だ。
最近は特にその傾向が強くなってきているが、単に給料を上げることより「きちんと褒める」ことや「きちんと叱る」こと、更には「いかに必要としているかを相手に日々伝える」ことのほうが重要になって来た感がある。
普段のマネジメントもそうだが、人事制度(給与、評価、教育など)の作り方にも気をつけたほうが良い。
なるべく経営者の人間性や人生観が盛り込まれた人事制度を作るべきで、それにより組織の一体感を高めるようにもっていったほうが良い。
人事マネジメントは、機能的でかつ人間的でなくてはいけないということだろう。