市川人事労務コンサルタント事務所

よもやま話

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経営者の仕事

経営者というのは大変つらい職業だ。

はたから見ると「一番偉くて、いつも自分の思いどおり事が進んで、たくさんお金を持っていて羨ましい」と思われているのかも知れないが、とんでもない。最も割の合わない職業の一つだといえる。

社長業は日々決断しなければならないことが山積し、気の休まることがない。休みの日でも頭の中は会社のことで一杯だ。常に危機感と問題意識を持っていないといけない。なぜなら、企業は放っておくと倒産するようにできているからだ。

ちょっと業績が良いと思って気を抜くと、すぐに他の企業がそれ以上の努力をしてシェアを奪いにくる。世の企業は、常に勝ち抜くためにたゆまぬ努力をしている。だから、同じかそれ以上の努力をしないと負けてしまうのだ。世の中はそういう風にできている。

しかし、それを本当に分かっているのは会社の中で経営者だけだろう。残念ながら、社員の中にそれを理解している人はほとんどいないと言って良い。(頭では分かっていても体で分かっていないというか、とにかくそういうことだ。)

でもこれは何も一概に「経営者が優れていて社員が優れてない」ということではない。経営者という立場がその人を作り上げるという側面もある。

ポストが人を作るということだろう。最終責任者になればその人の言動は変わるものだ。

「社長の言っていることが理解できない」という社員が多くいるが、これは社長の問題意識と社員のそれに大きな隔たりがある証拠でもある。

また、よく「うちの社長は言うことがコロコロ変わる」などと言う人がいるが、変わって良いのだ。その時その時で一番良いと思うことを実行していくことが今の時代には必要なのだ。状況が変われば、やるべきことも当然変わっていく。

ダーウィンも「進化論」の中で、「強いものが勝つのではない、賢いものが勝つのでもない、唯一、変化に対応するものだけが勝ち残るのだ。」と言っている。今はまさにそういう時代だ。

自分の言ったことに縛られて会社が傾くより、朝令暮改をしてでも生き残るべきだ。それこそ今求められている「経営者の仕事」なのだ。そういうことを一つひとつ行っていく中で、会社が強くなり業績が上がり利益を出す循環が生まれる。

経営者のやり方次第でどんな会社でもまだまだ業績を上げることができる、と私は確信している。

2012年1月23日

人事・経営編