よもやま話
評価の潮流
最近の「評価制度」には一つの傾向がある。それは、従来の「個々人に設定された様々な指標を見て細かく点数をつけるもの」から、もっと大きく捉えるようなものに変化していることだ。そして、企業として大事にするものをハッキリさせ、シンプルでわかりやすいものになっているケースが多い。
大きな柱が2つあり、一つは「イズム」でもう一つが「結果」だ。
この「イズム」と「結果」を一対一で見る。これが最近の評価の潮流となっている。今までの成果主義が運用レベルで短期的な成果に執着してしまう欠点があったため、改めてプロセスと結果の両方を見ようということが背景にある。
企業は永続させなければならないため、短期的だけでなく中長期的に業績を伸ばさなければいけない。
つまり、評価制度(給与制度も併せて)は中長期的に企業業績を伸ばすためのものでなくてはいけない、という考え方がこの大きな流れを支えている。
プロセスを見ることは今までもいろいろやられていたが、そのプロセスの見方が今までと少し違うのがポイントだ。プロセスの根底に「イズム」を置いたところが新しい。
なぜ今、イズムなのか。
それは、現在のこの厳しい状況を乗り越えるためには、会社は経営者を中心に一つにまとまらなければならないからだ。それは大企業も中小企業も同じだ。
イズムの表現方法は各社によって様々で、ある企業ではそれを「メッセージ」と言ったり、ある企業では「信条」と言ったり。また「バリュー」と呼ぶところや「コンピテンシー」として行動レベルまで落とし込んでいるところもある。
この「イズム」というのは、昔のソニーやホンダの経営に代表される日本企業特有の「経営を支える重要ファクター」だったが、今それが逆輸入されようとしている。