よもやま話
責任と権限
最近「責任」と「権限」について考えることがあった。これは以前から思っていたことでもあるのだが、この2つのバランスが悪いと大変なことになる。
「権限があって責任がない」、これは最も不幸な結果を招く。
昔の役所がそうだった。年金問題などはまさにこれで、権限がある者がいろいろ決めて行った結果に対して誰も責任を取らない。過去に国が行った不良債権の処分などもまったく同じだ。
政治でいえば「院政」などはこの典型で、今のロシアなどもそういう意味ではかなり危うい感がある。
政治や行政に対しては、心配したり腹が立ったりするが、振り返ってみれば企業経営にも同様の危うさがある。経営者は、会社の中に少しでもこういう状態があったら、すぐに手を打ったほうが良い。さもないと大変な事態を招く。
「権限があって責任がある」「権限がなくて責任もない」、このへんはあまり問題がない。
「権限がなくて責任がある」、これは一見あまり無いように見えるが、実は取るべき人が取らない責任を皆で分散して支えていることを思えば、多くの社員(国でいえば国民)がこれに該当していることになる。
こういう状態を放置していると、無関心、無気力、無責任がはびこり、活性度が下がって業績の悪化につながる。
これは国も会社も同じである。