よもやま話
阪急阪神ホテルズとヤマト運輸
阪急阪神ホテルズで食材の偽装が問題になっている。その上、社長の謝罪会見が更に問題を大きくしている。
ホスピタリティの教科書にもなっていた大阪リッツカールトンを運営している会社なので余計に衝撃が大きかった。
顧客からの絶大な信頼とトップクラスのブランドイメージがあったがゆえに今回発覚した事実との落差が大きい。
また社長の謝罪会見が少しお粗末で、見ていた人も「あれが社長か」といささか拍子抜けしたことだろう。
私も不思議に思って経歴を調べたら確かにあまり鍛えられていない感じの経歴ではあった。サラリーマン社長の典型で、阪急阪神グループ全体で見ればただの役員の一人に過ぎない。
ヤマト運輸でも問題が続出している。
これも宅配業界のパイオニアで一目置かれていたがゆえにガッカリ感が強い。
小倉昌男さんが会長を辞めたのが1995年、亡くなったのが2005年。
小倉さんは厳密にいえば創業者ではないが、実質創業オーナーとして一代で会社を大きくした名経営者だ。
小倉さんが亡くなって10年も経つとあのヤマト運輸でさえ経営に緊張感が無くなり組織が緩むということなのだろうか。
両方の会社に共通しているのは「最後の砦として全責任をとる覚悟をもった実力社長」がいなかったということ。
会社が大きくなると(特に上場などすると)こういうケースは増えてくるが、中小企業のオーナー社長でも意外にこういう罠にハマってしまうときがある。
会社が大きくても小さくても関係ない。経営者の責任は大きい。
責任を全うするためには自分の権限を堂々と行使しなくてはいけない。
絶対にそこで躊躇してはいけないのだ。