よもやま話
20年
人事顧問の事務所を始めて今年で20年になる。
リクルートグルーブでまず営業をやり、32歳の時に傾きかけた代理店を立て直すために一度辞め、1年後に再入社。それから総務、人事、経営企画をやって40歳で再度退職する。
後から聞いた話では、リクルートを2度辞めたのは、当時は私と元役員の吉富氏とあと一人いるかいないかだそうだ。
まわりの勧めもあり人事コンサルの事務所を開いたは良いが、最初は何をすれば良いか分からない。
自分では「これをこうやって、あれをああして」というものはあったが、実際やってみるとなかなかうまく行かない。自分のやりたいこと(やるべきだと思うこと)と相手のやって欲しいことがだいぶ違う。
そんなこんなで最初の5年ほどは顧客から教えられたことのほうが多かったように思う。
そのあたりから経営者とのつきあい方も変わり、仕事も充実し顧問会社もみるみる増えてきた。仕事の中身もだいぶ密度の濃いものになり、猛烈に忙しい日々が続いた。
12年前に父が亡くなったときは夜中の2時過ぎに秘書に電話し、翌日と翌々日のビッシリ詰まったアポイントを全てキャンセルしてもらったのを覚えている。確か1日6〜7件は入っていたように思う。
その事務所が今20年を迎え、私も還暦を迎えようとしている。
2年前の東日本大震災の後、少し人生観が変わったのかも知れないが、もうあまり自分のためにガツガツ仕事をしようとは思わない。何となく今までやってきたことがどこかの役に立てばいいかなと思うようになってきた。
私が事務所を始めた最初の5年間、拙い私に我慢して付き合ってくれた経営者達(今でも長い付き合いをしてもらっているが)にお世話になった分を、これからの若い会社に返せたら良いかなとも思う。
もちろん、最先端のノウハウを持った一流企業を私の力で超一流にすることなどはできないかも知れないが、普通の会社を一流の会社にするために手伝うことはできるように思う。
人事顧問という仕事はこれで結構体力と気力を使う仕事なので、あと何年できるか分からないが、頭と体が動くうちは意欲のある経営者をできる限り助けて行きたいと思っている。